仕事における難題を乗り越える3つの方法
責任に関する3つの教訓
私はリクルーターとしてのキャリアの中で、上司やマネジメント層が気に入らないという理由で仕事を辞める人をたくさん見てきました。そのため、上司やチームリーダーに対する不満を聞くたびに、私はいつも、転職を決意する前にまず状況を変えるために何かしようとしたかどうかを尋ねることにしています。リクルーターである私がこれを言うことは皮肉なことですが、求職者に対する私の信頼は、たいていこの質問にどう答えられるかにかかっていました。
私たちの多くは仕事において、自分が何をするのが当然か、何をする権利があるかに集中し、周囲に責任を負わせがちです。また、今の会社から立ち去って、別の場所で再出発することも簡単です。
ある人が私に「どんな仕事でも、必ず不満はあるものだ」と言いました。時が経つにつれ、その通りだと実感しました。
しかし、仕事で困難な時期を乗り切るにはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、責任について3つの教訓を述べたいと思います。
1. 指示されるまで待たないこと
経験の浅いキャリアコンサルタントだった私は、上司との1on1に臨むと、その週に行った良い仕事について褒めてもらい、次に何をすべきかという指示を期待していたことを覚えています。今思えば、当時の上司は、今の私も持っていないレベルの究極の忍耐力が必要だったと思います。
1on1は、自分なりの計画を立て、何ができたか、何が難しかったかを正直に話すことで、より有意義なものになるということを、何年もかけて学びました。アドバイスを求める前に、まず自分で問題を解決してみる必要があります。
自分で1週間のプランを描く方法がわかったとき、上司との会話はより有意義なディスカッションになり、難しい時期には涙することもありましたが、自分の目標に近づくためにその週に何をしなければならないかを知って、1on1を終えたのを覚えています。
2. 何かを変えたいなら、自分で変える
数年前、あるチームリーダーがいました。彼は自分の長所や称賛に値する資質を持っていましたが、そのマネジメントスタイルは私とは一致しませんでした。私たちは友人であり、お互いに尊敬し合っていました。
ずっと後になって、私は気付かないうちにこのチームリーダーと一種の仕事上の関係を築いていて、彼は私が一人でも大丈夫だ、と思っていたのだと気づきました。その時、同僚の一人が「目標を達成できなくなれば、もうそんな関係(放任)にはならないよ」と気づかせてくれました。
その同僚が言ったことは正しかったです。四半期連続で目標を達成できなかった時期があり、その頃、チームリーダーとの会話に変化がありました。その時何が大変だったかを知っているからこそ、率直ではあるけれども、二人の間で居心地の悪い質問をするようになり、私の答えをどこかに記録しておかなければならなくなったようなのです。
"なぜこんなことを聞くの?私を信頼していたんじゃないの?"と、自分の能力を疑うようになりました。精神的にも最低の状態だった私は、それを彼のリーダーシップのせいにしてしまったのです。
数カ月後、私は当時の自分の状況を改善するために何もせずに、文句ばかり言っていることに気づきました。
自分が必要だと思うような指導をうけられなかったなら、なぜ自分自身が自らのリーダーとなって、自分を成功に導くことができなかったのだろう?
現状を打破するために、あらゆる解決策を検討したのだろうか?
自分は何を変えたいのか、そしてその変化を起こせるのか?
"どんな仕事でも必ず不満はあるものだ" ー冒頭で述べたように、これは当時の私にとって最高のアドバイスでした。もし、自分で状況を解決する方法を見つけようとしなかったら、「あきらめたこと」を一生後悔することになると気づいたのです。このままでは、次の機会に活かせる教訓が得られないと思ったのです。その時から、「解決策を見出そうとした」「自分なりに実績をつくった」と将来、自分に言えるようにしようと固く決意しました。
3. モチベーションやインスピレーションは、自分で見つける
50セントの「Hustle Harder, Hustle Smarter」を読んだことがある人なら分かるかと思いますが、自分の責任は自分で取らなければなりません。
以前、一緒に働いていた同僚が、「周りの人たちからインスピレーションを受けていない」と嘆いていたことがありました。私は今でも時々、このことを考えます。あの時に戻って、その言葉の意味を詳しく聞いてみたいものです。
彼は何を言いたかったのだろう?どんな刺激を求めていたのだろう?それは、やる気をなくす本当の原因だったのだろうか?
ワークプレイス・エンゲージメント、そして学習文化に興味をもった今、私はさらに多くの疑問を抱いています。
大学生の頃、私は教授に対し、教え、導き、鼓舞する役割を担ってもらうことを期待していました。そして社会人になってからは、上司を自分のモチベーションやインスピレーションの源として、そのように見ていました。今振り返ってみて、「なんて甘やかされた子供だったんだ」と思わずにはいられません。
他人の言動や業績などから、力をもらったり、刺激を受けたりすることは、確かにあります。自分のモチベーションを高めてくれる人、自分を奮い立たせてくれる人との出会いは、人生において最高なもののひとつです。そのような出会いは、あなたを人として成長させ、新たな学びの道を作ってくれます。
しかし、これは誰の義務でもありません。これは人生において、誰かに要求できる出会いでもありません。それは偶然の産物であり、だからこそ朝起きて、今日も一日がんばろうという気持ちにさせてくれるのです。
仕事におけるモチベーションとは、健康的な食事や運動に対するものと同じようなものだと考えてみてください。なぜそれをするのですか?目的は何ですか?目的がないのなら、なぜそれをするのですか?
今度、特に仕事で困難な状況に陥ったときは、自分が第3者の観察者になって、自分の人生を遠くから眺めることを想像してみてください。感情に任せて決断し始める前に、目の前にある客観的な解決策を思いつく限り並べましょう。
その結果、「解決できることはすべてやった」と自信を持って言えるようになります。
Anjelika Gascon
Talent Acquisition Specialist