Webデザイナーのお仕事:転職前に知っておきたいすべて
欧米企業のWebサイトをご覧になったことはありますか?
アイコンが印象的なCurious & Company社、引き算でインパクトを作り出すHyer社、ファンシーな世界観と視認性を共存させたUnseen Studio社、など面白いデザインが目白押しです。
欧米では、「デザイン制作=設計」の意識が強く、中でもメッセージをいかに削るかという「引き算の美学」に関するテクニックがより重視されているようです。
きっと、このブログをご覧のデザイン感度の高い方は、もうご存知ですよね。
今回のブログでは、Webサイトの作成側「Webデザイナー職」をご紹介いたします。
Webデザイナー職とは
Webデザイナー職は、ビジュアル要素とユーザーフレンドリーな使いやすさを両立したWebサイトを制作するポジションです。
企業ブランディングを踏まえたサイトレイアウト、ランディングページ、インタラクティブコンテンツ設計を担当し、ユーザーエンゲージメントの強化に貢献していきます。
開発者やマーケティングチームとの定期的な連携に加え、事務所として業務を請け負う場合は、社外のクライアント対応も求められるでしょう。
Webデザイナーの主な業務内容
レイアウトやインターフェースのデザイン設計:
ランディングページ、メニュー、ボタン、フォームなど、ビジュアル要素と直感的な使いやすさを考えたWebページの設計を担当します。デザインを通じて、スムーズなWebサイトナビゲーションやUX向上に携わっていきます。
開発者との連携:
デザインの正確かつ効率的な実装には、フロントエンド開発者と協力が欠かせません。必要に応じて、画像、アイコン、モックアップなどのアセットを提供することもあるでしょう。
企業ブランドとの整合性:
自社のビジュアルアイデンティティを維持することが求められます。Webサイト全体のデザインから企業のスタイル、トーン、価値観が感じられるようにするのがポイントです。
クライアント連携(デザイン事務所の場合):
デザイン事務所で勤務する場合、クライアントと直接打ち合わせを行うこともあります。要件定義の聞き出しや、フィードバックに応じたデザインの微調整、カスタマイズソリューションの提供が求められます。
Webデザイナーの募集要項
テクニカルスキル
Figma、Adobe XD、Photoshop、Illustratorなどのデザインツールの高い操作スキルが必要です。
開発者との円滑なコミュニケーションにHTML/CSSの基礎知識を求められることが多くあります。また、コードの簡単な修正や微調整を担当する場合もあります。
レスポンシブデザインの原則の知識を活用し、デバイスごとでWebサイトにズレが出ないようにする必要があります。
デザインの専門知識
レイアウト、タイポグラフィ、色彩理論の専門的理解が重要です。
ビジュアル要素と機能性を両立したデザインの制作・実現能力が求められます。
Webアクセシビリティ基準の知識をもとに、すべてのユーザーが使いやすいWebサイト設計を担当することになります。
問題解決に取り組むマインドセット
革新的なソリューションを創出し、ユーザーニーズ、技術的制約、企業目標を満遍なく実現していくことになります。
言語スキル
英語に自信のある方:
外資系企業やグローバル市場を意識した企業では、クライアントやチームとの連携で英語を用いる機会が多くなるでしょう。
英語でもデザイン関連の専門用語を把握しておけば、最新のデザイントレンドのキャッチアップに役立ちます。最新動向を国内マーケットに取り込むパイオニアポジションに立つチャンスがあるかもしれません。
英語が苦手な方:
日系企業では、日本語だけでも日々の業務がこなせることが多いです。中小企業をはじめとして、Webデザイナー業務だけでなく、関連職の経験やスキルを総合的に重ねることもできます。
Webデザイナーのキャリアパス
ジュニアWebデザイナー:モックアップ作成やアセット作成などの部分的な業務のアシスタントをしながら、業務経験を積んでいきます。
Webデザイナー:ページ全体のデザインを担当できるようになります。また、開発者やステークホルダーとの連携が求められるでしょう。
シニアWebデザイナー:デザインプロジェクトのリーダーとして、デザインシステムの維持・改善や、ジュニアデザイナーの指導業務が増えます。
チーフデザイナー/デザインディレクター:複数チームのチームマネジメントを担当します。また、デザイン戦略の策定・実行を通して、企業のビジネス目標に沿うよう各デザインの方向性を管理していくことになります。
Webデザイナーの平均年収
ジュニアWebデザイナー:年収350万〜500万円
Webデザイナー職としての駆け出し段階です。モックアップ作成やシニアデザイナーの業務アシストなど、部分的な業務を通して業務経験を積んでいきます。
Webデザイナー:年収500万〜700万円
業務経験を積むにつれて、より多くの業務に携われるようになります。ページ全体のデザインやステークホルダーとの連携機会が得られるようになるでしょう。
シニアWebデザイナー:年収700万〜900万円以上
シニアポジションになると、さらに重要な業務に携わることになります。デザインプロジェクトの取りまとめやジュニアメンバーの指導、デザインシステムの維持・管理に関わることができますよ。
Webデザイナーとしてのキャリア成長の機会
複数業界での需要の高さ:
スタートアップ企業から多国籍な外資系企業といった様々な企業で、Webデザイナーが求められています。小売業界、フィンテック業界、ゲーム業界、SaaS業界などの多岐に渡る業界で引く手数多なポジションです。
業界をまたいだ柔軟なキャリア形成:
非常に汎用性が高いスキルを養えるポジションです。複数業界での活躍だけでなく、フロントエンド開発職やフルスタックエンジニア職などの他の技術職へのジョブチェンジも検討することができます。
成長の可能性:
テック業界は日々進化を続けています。最先端のフレームワークやツールにキャッチアップし続けることで、業界のパイオニアとしての地位を確立できるかもしれません。
Webデザイナーとしてキャリアをスタートするには
説得力を意識したポートフォリオ作成:
幅広いプロジェクトを網羅したポートフォリオを作成してください。ランディングページ作成、レスポンシブデザイン設計、クリエイティブなページレイアウト作成など、マルチなスキルを十分アピールできるかがポイントです。
英語スキル:
外資系企業やグローバルなステークホルダーとの連携が必要なプロジェクトを担当する場合、英語でスムーズなコミュニケーションが取れるとさらなるキャリア成長のチャンスを得られます。また、デザインに関連した英語での専門用語を知っておけば、最先端のグローバルトレンドをデザイン要素に取り込むことが可能です。
最新ツールの習得:
Figma、Adobe XDなどの業界標準ツールの最新バージョンにアンテナを広げ、業務活用を模索しておきましょう。
ユーザーニーズの分析・把握:
ユーザー中心設計の原則の知識があれば、充実した機能性や快適な操作を意識したWebサイト設計に役立てることができます。
リクルーターとのネットワーク構築:
テック系やデザイン系に特化した専門リクルーターとのネットワークを広げていきましょう。求人情報や業界業種に特化したキャリアアドバイスが得られますよ。
Webデザイナーの腕が試されるポイント
ここでは、Webデザイナーの腕が試される課題と解決に向けたポイントを社内外のシーン別にご紹介いたします。
1. 社外対応
クライアント対応(修正依頼):
事務所として業務を請け負う場合、クライアントからのフィードバックに基づいてデザインを調整することが多くなります。柔軟な対応と正確なコミュニケーションスキルが求められるでしょう。
2. 社内対応
日系中小企業やスタートアップ企業の場合
ジェネラリスト人材への需要:
国内の中小企業やスタートアップ企業を中心に、汎用的な人材が求められるケースが多くあります。
Webデザインに加えて、基礎的なフロントエンド開発やグラフィックデザインも担当することになるでしょう。
外資系企業や一部の日系大企業の場合
文化的な分析・変換能力:
外資系企業では、グローバル製品のローカル化を担当する事があります。反対に、大手の日系企業では、国内向けサービスをグローバル展開する機会があるかもしれません。
国内マーケットやターゲット地域におけるデザイン傾向を把握・比較分析する事が求められます。例えば、「情報の引き算」を好む欧米デザインと「情報の足し算」を好む国内デザインでは、デザインの趣旨や方向性が異なる点に留意が必要です。
言語の壁:
外資系企業を中心に、グローバルな連携が求められます。また、国内の大企業の一部でも、社内言語を英語とする事例があり、英語を使用した円滑なコミュニケーションが必要とされる場面が多くなります。
面接の段階から、英語での自然な意思疎通や報連相が行えるかがしっかりとみられていますよ。
課題の克服に向けての3つのポイント:
業務内外を通して、英語に触れる環境を作りましょう。語学レッスンや英語を使用した交友の輪を広げるのがオススメです。職場でのスムーズなコミュニケーションや交渉を進める上での気付きが得られます。
専門用語を日本語と英語で把握し、デザインへのアンテナを増やすのが効果的です。国内外でのユーザーフィードバックの実施・分析に加え、地域ごとのデザイン傾向の比較分析や最新トレンドを反映したデザイン設計にも役立ちます。
ミートアップイベントやWebデザイン関係のイベントに参加してみるのがオススメです。同業者間の人脈を構築していきましょう。専門的知見のブラッシュアップや業界動向のキャッチアップを通して、さらなるキャリアアップが期待できます。
社内外共通
ビジュアル要素と機能性のバランス:
「見た目が良い」デザインと「使いやすい」デザインは、必ずしも同じではありません。UX向上には、ユーザー中心設計の原則を意識した装飾性と操作性の差し引きが欠かせません。
Webデザイナー職の将来的発展性
複数業界にまたがる需要の高さ:
EC業界、フィンテック業界、ゲーム業界、ホスピタリティ業界など、多様な業界での活躍が期待できます。
クリエイティブな創造力:
コーポレートサイトからクリエイティブなキャンペーンページに至るまで、芸術性や問題解決能力を発揮するチャンスに恵まれるでしょう。
レスポンシブデザインの需要拡大:
モバイル端末の普及率増加に伴い、モバイルファースト方式のレスポンシブデザインを専門とするデザイナーがいっそう求められています。
Webデザイナーに関するよくあるご質問|FAQ
1. Webデベロッパー職とはどのような点が異なりますか?
Webサイト構築には欠かせないポジションである点は同じです。ですが、担当する役割が異なります。
Webデザイナー職:
Webサイトのビジュアル要素やUX向上を担当します。
主な業務には、レイアウト作成、カラースキーム選定、インタラクティブ要素の設計などが含まれます。企業ブランドと調和した視覚的デザインの設計が求められます。
Figma、Adobe XD、Photoshop などのデザインツールを業務に利用します。
必須項目ではありませんが、HTML/CSSの基礎知識があれば業務連携に役立ちます。
Webデベロッパー職:
Webサイトの技術実装が担当です。
HTML、CSS、JavaScript、さらにはバックエンド言語でコーディングを行い、デザイナーの構想を実現していくポジションです。
サイトの機能性、レスポンシブ対応、パフォーマンスの最適化を担保することが求められます。
つまり、Webデザイナー職は「ビジュアル性・操作性」に、Webデベロッパーは「実装処理」に分かれて作業を行います。
2. 英語スキルは必要ですか?
各企業によります:
日系企業や国内市場に特化した企業の場合: 日本語だけで業務をこなすことができます。
外資系企業やグローバル市場向けのスタートアップ企業の場合: 業務の内外でのコミュニケーションや専門的な連携において、英語が求められます。ハードルは高くなりますが、最先端のトレンドや国や地域におけるニーズの違いを活かしたデザイン制作など、デザイナーとしてのスキルを磨く機会がさらに広がりますよ。
3. 一般的な年収はどのくらいですか?
業務経験や企業規模により変動します。あくまで、一例としてご覧ください。
ジュニアレベル: 年収350万〜500万円
ミドルレベル: 年収500万〜700万円
シニアレベル: 年収700万〜900万円以上
※ボーナスを除く
4. どんなツールになれておけばよいでしょうか?
デザインツール:業界標準ツールのFigma、Adobe XD、Photoshop、Illustrator
プロトタイピングツール: Marvel App、Framerなどのインタラクティブプロトタイピングツール
HTML/CSS: 開発ができるレベルでなくとも大丈夫です。自分で簡単なコード修正ができるだけでも強みになります。
レスポンシブデザインツール: あらゆるデバイスでズレのないデザインを設計するのに必要となるツール・スキルです。
5. 積極的な採用や活躍の場が設けられている業界はありますか?
以下のような業界・業務で高い需要があります。
EC業界: ユーザーフレンドリーなオンラインストアや商品ページのデザイン設計
テック系スタートアップ企業: ユーザーの関心をひくビジュアル性・機能性に富んだWebサイトの設計
デザイン事務所: 多様なクライアントに合わせたカスタマイズソリューションの提案
ゲーム業界: 自社ゲームのランディングページやサイトのデザイン設計
6. どんなシーンで業務の腕が試されますか?
クライアントからの修正依頼対応: デザイン事務所で業務請負をする場合は、クライアントからのフィードバックをもとにした修正作業の回数や頻度が嵩むこともあります。
ジェネラリストの需要: 日系の中小企業を中心に、グラフィック制作や簡単なコーディングといったWebデザイン以外の業務対応も求められます。
6. グローバル対応&ローカライズ対応:
まずはユーザーフィードバックやマーケット調査を通して、使用者の声に耳を傾けてみましょう。一般的に、国内向けとの比較すると欧米向けのデザインは情報量を減らしたミニマルデザインが多いと言われています。国内向け製品のグローバル展開や海外製品のローカライズ対応では、こうしたニーズの違いに合わせるスキルが求められます。
7. コーディング経験は必要ですか?
フルスタック開発スキルは求められません。しかし、HTML/CSSやJavaScriptの基礎知識があれば、開発者とのスムーズな連携に役立つほか、簡単なコード修正が一人で対応できるようになります。汎用スキルの一環として、中小企業やスタートアップ企業で特に重宝されますよ。
8. キャリアを成功させるポイントはありますか?
ポートフォリオに多様なプロジェクト経験を掲載しましょう。レスポンシブデザイン、ランディングページ設計、クリエイティブなデザインレイアウト設計などの経験を盛り込むようにしてください。
英語を習得できると、幅広いステークホルダーやユーザーフィードバックを取り入れたプロジェクトに参加できます。デザインの幅や視点を広げる機会が得られますよ。
グローバルなデザイントレンドや新しいツールにアンテナを張っておきましょう。
ユーザー中心設計の原則に基づいて、楽しみながら簡単に操作できるWebサイト作りを目指してください。
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