生成AIエンジニアに必要なスキル5選

なぜ「生成AIエンジニア」が注目されているのか?

ChatGPTをはじめとする生成AIの登場により、AIエンジニアという職種の中でも「生成AIエンジニア」という新たな専門分野が急速に注目を集めています。業界を問わず、企業は生成AIを活用したサービス開発や業務効率化に乗り出しており、それに伴って採用ニーズも拡大中です。

では、実際に企業はどんな人材を求めているのでしょうか?


今回は弊社、Build+(ビルドプラス)リクルーターでAI企業と連携して、生成AIエンジニアやデータサイエンテストの採用に携わっているDevi Budhathoki氏の視点をもとに、現場で本当に評価されるスキルやAI分野で活躍するために必要なスキルを紐解きます。これから生成AI分野にチャレンジしたい方や、キャリアの方向性に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

AIエンジニアとして必要なスキル 1:Python

生成AIエンジニアに応募する際、まず最初にチェックされるのがPythonの使用経験です。Devi氏によれば、「何年使ってきたか」を特に重視すると言います。

なぜここまでPythonが重要視されるのでしょうか?
その理由はシンプルです。Pythonは機械学習、深層学習、自然言語処理など、生成AI関連の主要ライブラリ(PyTorch、TensorFlow、Transformersなど)が豊富に揃っており、AI開発の実務で最も使用されている言語だからです。

単に「使える」ではなく、どれだけ実践的なコードを書いてきたかが問われます。以下のような経験があると、強みとしてアピールできます:

  • 自作のAIモデルを構築・検証した経験

  • KaggleやGitHubへのプロジェクト投稿

  • Pythonを使った実務プロジェクトへの参加

これから学び始める方は、まずPythonでの開発経験を積み、シンプルなモデル構築からチャレンジするのがおすすめです。

 

AIエンジニアとして必要なスキル2:実務でのAIアルゴリズム開発経験

Pythonスキルと並んで重要視されるのが、AIアルゴリズム開発の実務経験です。Devi氏は「理論だけでなく、実際に手を動かしてAIを実装した経験があるかどうか」がカギになると語っています。

企業が重視するのは、「AIに詳しい人」ではなく「AIを活用して成果を出せる人」です。つまり、モデルを構築・チューニングし、実用的なアウトプットを生み出した経験が求められます。

以下のような経験があると、評価が高くなります:

  • 学習済みモデルのファインチューニング(例:LLMや画像認識モデル)

  • ゼロからアルゴリズムを設計してプロトタイプを構築

  • エラー分析や改善提案を含むPDCAを回した経験

  • MLOpsや推論パイプラインの構築・運用

「実務経験がない」と感じる方も、自主開発プロジェクトやKaggleの参加、論文再現などで補うことが可能です。大切なのは、「自分の手で作り上げたものがある」こと。実績として語れるエピソードがあるかどうかを意識しましょう。

 

AIエンジニアとして必要なスキル3:理系的バックグラウンド

採用の現場では、生成AIや機械学習のスキルと並んで「基礎学力」や「理論への理解」も重要視されます。Devi氏も、転職者がコンピュータサイエンス(CS)やコンピュータビジョン(CV)のような理系的バックグラウンドを持っているかに注目していると話しています。

特に以下のような基礎知識・考え方があると、実務での応用力にもつながります:

  • データ構造とアルゴリズム(探索、ソート、再帰など)

  • 数理統計・線形代数の理解(モデル設計や評価の土台)

  • ニューラルネットワークやCNNの理論

  • 画像認識や物体検出などのCV応用技術

CSやCVに関する学位がある必要はありませんが、それらを自ら学んでいる姿勢は強い評価ポイントになります。たとえば:

  • オンライン講座や大学レベルの教材を独学している

  • Kaggleなどで画像系の課題に挑戦している

  • 論文を読み、実装に落とし込む習慣がある

生成AIの分野は応用技術の集まりだからこそ、基礎がしっかりしているかどうかが、結果としてモデルの安定性やパフォーマンスに直結します。

 

AIエンジニアとして必要なスキル4:認定資格の保有(Google/Microsoft/AWS)

次に評価されるのが、信頼性のある認定資格の保有です。Devi氏が特に注目しているのは、以下のような主要クラウドベンダーが提供するAI・機械学習関連の公式資格です:

✅ Google Professional Machine Learning Engineer

✅ Microsoft Azure AI Engineer Associate

✅ AWS Certified Machine Learning – Specialty

これらの資格は単なる“肩書き”ではなく、以下のようなスキルを証明するものとして機能します:

実務レベルでのAIワークフロー理解(データ準備・学習・評価・運用)

クラウド上での機械学習モデルの設計・デプロイ経験

セキュリティやパフォーマンスを考慮したシステム設計力

さらに、資格の取得は「学習意欲の高さ」や「キャッチアップ力」の証明にもなります。特に異業種・異職種からAI分野へ転職を目指す方にとっては、“本気度”を伝える強力な材料となるでしょう。

「まだ資格を持っていない」という方も、まずはオンライン学習を始めて、年内の取得を目指すのがおすすめです。

 

AIエンジニアとして必要なスキル5:自主学習とリスキリングの姿勢

最後にDevi氏が強調していたのが、自主的に学び続ける姿勢です。
特に、他職種から生成AIエンジニアへの転向を目指す人に対しては、「どんなオンライン講座を受けているか」「どれだけ自己投資をしているか」を重視しているとのことです。

たとえば、以下のような学習活動は高く評価されます:

  • Coursera や Udemy での専門講座受講

  • Hugging Face や OpenAI API を使ったプロジェクト経験

  • Kaggle や GitHub での継続的なアウトプット

  • 最新のAIトレンド(例:LLM、Diffusion Modelsなど)に関するキャッチアップ


この分野は技術の進化が早く、「学歴」や「過去の職歴」よりも、いま何を学んでいるかの方が重要になることも珍しくありません。
つまり、自分の力でスキルをアップデートできる人こそ、生成AI時代の“強いエンジニア”といえるのです。

現職で生成AIに関わっていない方でも、個人開発や講座受講などを通じてアピール材料は十分に作れます。

 

今からでも始められる、生成AIエンジニアへの第一歩

生成AIエンジニアは、今もっとも注目されているポジションのひとつです。しかし、求められるのは単なるAIブームへの関心ではなく、「実装力・基礎力・学び続ける力」を兼ね備えた人材です。

本記事で紹介した、採用担当が重視するポイントを振り返ってみましょう:

  • Pythonの実践経験

  • AIアルゴリズム開発の実務または個人経験

  • CSやCVの理論的な理解

  • 認定資格でのスキル証明

  • オンライン学習や継続的なリスキリング

これらすべてを最初から備えている必要はありません。重要なのは、「今どこに立っていて、これから何を積み上げていけるか」です。

もし、あなたがこの分野に興味を持ち、学び続ける覚悟があるのなら、キャリアチェンジやスキルアップのチャンスは十分にあります。Build+では、そんな方々の転職・キャリア相談もサポートしていますので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。

生成AIの世界に飛び込む最初の一歩、今日から始めてみませんか?

 
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