Attuned 米国エンゲージメント・カンファレンスに参加
7月末、米国コロラド州デンバーにて開催されたEmployee Engagement 2018 Conference(従業員エンゲージメントカンファレンス2018、HCI(Human Capital Institute)主催)にAttunedのブースを出展しました。カンファレンスには、国防省、NSA、州政府、航空、エネルギー、テレコム、ヘルスケア等、全米各地から従業員数万人規模の人事マネージャーが参加し、エンゲージメント調査ツールの展示ブースが設けられました。日本からは唯一、Attunedが出展していました。
エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントとは、従業員と企業が信頼し合い、相互に成長・貢献する概念で、仕事に対する熱意のある従業員は、モチベーションが高く保たれるため、業績への貢献に繋がりやすいといわれています。企業は、従業員の仕事に対するモチベーションを把握し、個人に合った役割・環境を提供することで、従業員の定着化(Retention)、モチベーションの向上に取り組みます。それによって、従業員の生産性が高まり、業績向上に繋がるということです。日本は、永らく年功序列型の組織が続きましたが、バブル崩壊後、欧米型の成果主義が導入され、生産性向上に対する一定の成果が得られました。近年は、「働き方改革」という名のもと、残業時間抑制や、シニア層の活用に目が向けられていますが、労働人口減少を背景に従業員全体の生産性を高めることが課題になっています。成果主義の筆頭である米国が、今まさにエンゲージメントに熱心に取り組んでいる一方、米Gallup社が各国の企業を対象に実施した従業員エンゲージメント調査によると、日本は、「熱意あふれる社員」の割合が6%しかなく、米国の32%と比べて大幅に低く、調査139カ国中132位と最下位クラスでした。また、カンファレンスに参加していた日系組織改革コンサルティング会社の話によると、最近、エンゲージメントに関する問い合わせが増えているものの、「エンゲージメント」という言葉のみがバズワードのように走り、エンゲージメントの概念・目的が浸透していないそうです。
エンゲージメントに影響を与えるもの
今回のカンファレンスで多くのスピーカーが強調していたポイントは、従業員エンゲージメントに因果関係があるのは、Personality(性格)ではなくValue(価値観)であるということです。Personality(性格)は、経験・環境等の影響を受け、数年の短いスパンで変化します。Value(価値観)は、10代で形成され、結婚や出産など大きなライフイベントの際に変化することはあっても、個人の深層心理にある普遍的なものであり、仕事の選択・意思決定において大きな影響を与えます。従業員エンゲージメントの研究・導入が進んでいる米国では、シリコンバレーのスタートアップが、エンゲージメント調査ツールの開発で大型資金調達に成功し、次々にサービスが提供され、市場は活発です。しかしながら、Value(価値観)にフォーカスし心理学を取り入れたサービスはわずか5%に過ぎず、95%は他の手法で診断を行っています。カンファレンス参加企業のなかで、Value(価値観)の測定を行う心理学を取り入れていたのはAttunedのみでした。そのため、公演を聞き終え、Attunedのブースに訪れた参加者からは、サービスに対する高い評価をいただき、非常に多くの関心をもっていただくことができました。 Attunedのサービスには2つの特徴があります。ひとつは、組織のカルチャー、組織と個人の間のギャップを分析し、組織、人材マネジメントにおける改善点を提案するものです。心理学を取り入れた55の質問を従業員に答えてもらい、個人のモチベーター(Value)をプロファイリングし、企業全体・チーム単位でデータを集計して分析を行います。もうひとつは、パルスサーベイによるエンゲージメントと離職率の測定です。個人プロファイルに基づき、従業員それぞれに異なる質問を定期的に送り、回答内容を機械学習させ、エンゲージメントと離職率をリアルタイムに算出します。今回のカンファレンスを通して、Attunedがクオリティで差別化できるポジションにいることを確信しました。また、従業員エンゲージメント市場は、米国のみならず世界的に成長していく可能性があることを肌で感じることができました。Attunedが市場のニーズに応えていけるよう、一層、努力していきたいと思います。