優秀な人材の獲得ー面接プロセスの改善方法
この記事は、姉妹事業であるAttunedのブログに掲載されたものです。
先日、採用担当のリーダーたちが、市場の変化にどのように適応しているかというパネルディスカッションに参加しました。世界で最も厳しい市場(採用に関して)の一つである日本で人材紹介会社を経営してきた私にとって、候補者不足の話題は切実なものでした。
最新のデータでは、求職者1人につき1.13人の求人がある統計が出ています。これは2年間のパンデミックにより多くの雇用が削減された後の結果です。高技能職の場合、この比率はもっと高くなります。つまり、企業は優秀な人材の取り合いをしなければならないのです。
さらに、Global Talent 2021のレポート(英語)によると、日本の人材格差は今後10年間で年平均1.4%拡大すると予想されており、台湾のみが唯一、日本よりも悪化していくとされています。
このような状況では、企業は2、3人の優秀な候補者を見つけるのがやっとというのが現状です。そのため、長い候補者リストの中からトップ3の候補者に優先順位をつけることができず、候補者の1人がオファーを受けてくれることを祈るしかないのが現状です。
人材を見つけるVS関心を持ってもらう
少し前に、「大退職時代」によって、人々が求める職場の福利厚生が大きく変化し、オフィスの卓球台や無料のスナックよりも、会社の柔軟性(フレキシビリティ)が求められるようになりました。
そして、求職者の仕事の数や選択肢が増えたことで、これまで以上に人材を確保することが難しくなっています。
また、候補者を採用できる可能性は、候補者のモチベーションに見合ったオファーと職場体験を提供できるかどうかにかかっているため、これまで以上に重要となっています。
給与、賞与、その他のインセンティブといった通常の手段だけでは、もはや採用の仕事を成功させることはできません。その前に、候補者に会社とそのミッション、文化を売り込まなければならないのです。
面接で差別化を図る
あなたの面接には、会社のバリューや文化が反映されていますか?なぜなら、候補者が面接を通じて体験しているのは、間違いなくそれだからです。
もし、リモート面接で、忙しい採用担当者がメールやSlackを何度もチェックしていたら、候補者にその企業の文化はどのように映るでしょうか?もし、異なるマネージャーと何度も面接を行い、全員から同じような質問をたくさんされたとしたら、彼らの印象はどうでしょうか?
面接は双方向のものであり、優秀な人材を確保したいのであれば、最初の面接から最後の面接まで、あなたの会社がユニークで、候補者にとっても有益なものであると納得させる必要があるのです。
その方法は以下のとおりです。
透明性を保つ
Glassdoorによると、求職者の96%が透明性のある企業を評価しています。
したがって、特定のポジション・職種の問題点等をごまかしたくなるかもしれませんが、そうしてはいけません。その職務と課題について、候補者にしっかりと説明しましょう。
優秀な候補者が入社して2週間たった頃に、現状に関して誤解させられていたことに気づくようでは困ります。リクルーターとしての私の経験では、職務の難しさを率直に伝えると、候補者はその問題を解決するための挑戦を喜ぶ傾向があります。そうでない人は?どのみち良い社員にはなり得ないので、採用しない方が良いでしょう。
革新的な面接テクニックを使う
革新的というのは、候補者の足を引っ張るようなトリック的な質問をするという意味ではありません。もっとひどいのは、"あなたがビスケットなら、どんなビスケットになりますか?"というような、ただ単に馬鹿げた質問です。そんな質問をされたら、私はその瞬間に面接会場を去るでしょう。
その代わりに、Attunedのようなツールを使って候補者の本質的なモチベーションを理解し、パワフルな質問をするのです。自分自身や会社の主要なモチベーションを候補者と共有することで、透明性を高め、会社の文化や価値観を理解してもらうことができます。
即座にフィードバックを行う
最もやってはいけないことは、優秀な候補者を放置してしまうことです。
他社も積極的に採用に動いていることを念頭に置き、有意義なフィードバックがなければ、候補者は他のオファーを優先したくなるものです。その事態を避けるために、各インタビューの最後に、即座にフィードバックを提供しましょう。
もしその候補者の経歴が、募集しているポジションにあまり適切でなくても、まだ彼らを優秀な候補者だと考えているなら、彼らが仕事で直面する可能性のある課題と、あなたの組織が彼らをどのようにサポートするかを伝えましょう。
モチベーションの観点からは、Competition(課題)、Progress(スキルの向上)、Feedback(透明で正直なフィードバック)を提供できる会社であることをアピールできます。
その場で採用が決まるわけではありませんが、候補者に対して採用担当としての考えを伝え、追加情報を求めることで、宙ぶらりんな状態になるのを防ぐことができます。
まとめ
人材確保の問題がなくなるわけではありませんが、面接のプロセスを見直すことで、優秀な候補者を採用する確率を高める方法は必ず見つかるはずです。プロセスの透明性を高め、有用なデータを収集する革新的なステップを追加し、候補者に対してより多くのフィードバックを提供することで、候補者はより面接に参加し、よりオープンにコミュニケーションをとるようになり、前向きで長期的な関係を築くための舞台が整うはずです!